ひぐれのお客(安房直子)
さみしくてあたたかく、かなしくてでもうれしい
すきとおるような味わいの童話集。
作品紹介
独りの時間を過している子どもや大人たちを、いっぷう変わった動物たちが、不思議な世界へといざなっていきます。
いっぷう変わった…といっても、普段は普通のすがたをしているので、わからないのですけれど、ね。
とある町の裏通りにある、ボタンや、糸や裏地を売っている小さなお店。
山中さんは、この商売をはじめてそろそろ10年。
毎日、なじみの客がやってきます。
ところが、ある冬のひぐれのこと、真っ黒いネコがお客としてやってきました。見ると、真っ黒いマントを身にまとっているではありませんか。
そして、ネコはそのマントにつける赤い裏地がほしいと言い出して…。
表題作『ひぐれのお客』をはじめ、6作品を収録。
どれも心温まる、それでいて、何となく懐かしい作品ばかりです。